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最終更新日:2020年02月20日 12:03

あなたの子供が人を殺したら?山形マット死事件に着想得た「許された子どもたち」予告

「ライチ☆光クラブ」「ミスミソウ」の内藤瑛亮監督作「許された子どもたち」の予告編がYouTubeで解禁された。

「許された子どもたち」新場面写真

「許された子どもたち」キービジュアル

1993年の山形マット死事件、2015年の川崎市中1男子生徒殺害事件などに着想を得た本作は、いじめにより同級生を殺してしまった不良少年グループのリーダー・市川絆星(きら)を主人公とする物語。当初は自供していた絆星だったが、母親に説得され否認に転じ、少年審判では無罪に当たる不処分が決定する。上村侑が絆星、黒岩よしが絆星の母親を演じた。

「許された子どもたち」

予告編には「人の幸せを奪っておいて、自分だけ幸せになるつもりか」と刑事に問われる絆星の姿が。「うちの息子は無罪ですから」と絆星をかばう母親の言葉や、「あなたの子どもが人を殺したらどうしますか?」というキャッチコピーも収められた。

「許された子どもたち」新場面写真

このコピーはオーディション参加者に投げかけられた質問。内藤は「参加者の多くは困惑した反応を示しました。自分の子どもが『被害者』になることを想像していても、『加害者』になることは想像していなかったのだと思います」「しかし、いじめは一人に対して大人数が起こす事象なので、自分の子どもは『加害者』になる可能性の方が高いです」と述べている。そして、誰しもが加害者性を備えていることに触れ「『被害者』になってしまうのではないかと不安を抱えながら、一方で『加害者』になる可能性について避けてしまう――。本作はそうした矛盾を描いた作品です」と説明した。

内藤にとって「先生を流産させる会」以来、8年ぶりの自主制作映画となる「許された子どもたち」は5月9日より、東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。

内藤瑛亮 コメント

内藤瑛亮

「あなたの子供が人を殺したらどうしますか?」という言葉について

キャッチコピーとなるこの言葉は、オーディションに参加して下さった方に、投げかけた質問です。参加者の多くは困惑した反応を示しました。自分の子どもが「被害者」になることを想像していても、「加害者」になることは想像していなかったのだと思います。いじめに関する事件を目にしたときに、自分の子どもがいじめられる不安を覚えたり、かつて自分がいじめられた経験を想起したり、多くの方は被害者の視点で受け止めると思います。
しかし、いじめは一人に対して大人数が起こす事象なので、自分の子どもは「加害者」になる可能性の方が高いです。あるいは、自分自身はいじめと認識していなくても、かつて誰かをいじめていた可能性もあります。誰しもが加害者性を備えています。「被害者」になってしまうのではないかと不安を抱えながら、一方で「加害者」になる可能性について避けてしまう――。本作はそうした矛盾を描いた作品です。

(c)2020「許された子どもたち」製作委員会

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