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最終更新日:2020年02月14日 13:03

是枝裕和らが「山の焚火」へ賛辞、横浜聡子は「若造の魂に響いた!」

是枝裕和、横浜聡子らが「山の焚火」に寄せたコメントが到着した。

「山の焚火」

「山の焚火」

ダニエル・シュミットやアラン・タネールらと並び、ヌーヴォー・シネマ・スイスの旗手の1人として知られるフレディ・M・ムーラーが監督を務めた本作。人々から隔絶された土地で育ったろうあ者の少年とその姉、そして両親の姿が描かれる。

「山の焚火」

是枝は「貧しい家族の営みを目にしながら、私たちがそこに感じるのは祈りにも似た畏怖である。残酷な暴力も、不幸さえも含めて、映画が描く時間のなんと豊かであることか」と述べ、横浜は「大学の映画のVHSが大量にある映画ルームで初めて観て震えた! 学業も半端で毎日構内うろつくだけで映画も大して好きじゃなかった若造の魂になぜかムーラーが響いた!」とコメントしている。

「山の焚火(デジタルリマスター版)」はフレディ・M・ムーラー特集「マウンテン・トリロジー」の1本として2月22日より東京・ユーロスペースほか全国で順次ロードショー。現在同特集の予告編がYouTubeで公開中だ。「山の焚火」のほかドキュメンタリー「我ら山人たち―我々山国の人間が山間に住むのは、我々のせいではない」「緑の山」がラインナップされている。

蓮實重彦(評論家)コメント

フレディ・M・ムーラーの映画作家としての資質は、主題を選択しただけでは映画はいささかも始まらず、それが具体的なイメージとしてフィルムの表層に定着されないかぎり、何事も起りはしないだろうという聡明な認識に属している。

是枝裕和 コメント

聖書に描かれているような原初の人の営みを、サイレントという映画の原初の形を想起しながら観る。そんな稀有な体験を、この「山の焚火」は恩寵のように私たちに与えてくれる。
貧しい家族の営みを目にしながら、私たちがそこに感じるのは祈りにも似た畏怖である。残酷な暴力も、不幸さえも含めて、映画が描く時間のなんと豊かであることか。

赤坂憲雄(民俗学者)コメント

斜面の映画が描きだしていたのは、創世神話のひと齣のごとき物語であったか。山の民によって紡がれてきた山中他界観に根ざしながら、世界が垂直方向に聖/俗へと分節化される瞬間に、われわれは立ち会うことになる。

椹木野衣(美術批評家)コメント

山ではどのようなことでも起こる。海はすべてを帳消しにしてしまう雄大さがあるけれども、山は違う。山はいつもなにかを隠している。もしくはそのことを知った者を世間から遠ざける。だから誰も山について詳しいことは知らない。フレディ・M・ムーラーの「山の焚火」はそのことを思い起こさせる。これは神隠しについての映画だ。

横浜聡子 コメント

大学の映画のVHSが大量にある映画ルームで初めて観て震えた! 学業も半端で毎日構内うろつくだけで映画も大して好きじゃなかった若造の魂になぜかムーラーが響いた!

高山なおみ(料理家 / 文筆家)コメント

自然が豊かなら豊かなほど、厳しければ厳しいほど、人間がこしらえた決まりごとなど遠のいて、神話に近づく。
どこまでも清らかな、雪解け水のような映画だと思う。
※「高山ふとんシネマ」より一部抜粋

映画ナタリー