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最終更新日:2020年01月10日 14:23

「千と千尋の神隠し」2019年中国公開の邦画興収No.1、中国映画「ナタ」は780億円超

2019年における中国国内の日本映画の興行成績が新浪から到着した。

「千と千尋の神隠し」中国版ポスタービジュアル(写真提供:新浪)

2019年、中国ではアニメーション映画17本、実写映画7本、計24本の日本映画が公開された。これは史上最多の数となる。その中で邦画年間興行収入1位に輝いたのはスタジオジブリの「千と千尋の神隠し」。興行収入4.88億元(約75.6億円)を記録した。2019年度日本で興行収入1位になった「天気の子」が2位に続く。

実写映画からはドラマ「新参者」シリーズの完結編にあたる「祈りの幕が下りる時」が唯一ベスト10入りを果たした。中国人ジャーナリストの徐昊辰は「『千と千尋の神隠し』の大ヒットで、旧作の可能性も感じました」と述べる一方「実写映画の不況は深刻化しています」と見解を示す。

「ナタ~魔童降臨~」ビジュアル (c)NPO法人日中映画祭実行委員会

中国市場全体の年間興行収入ではアニメーション「ナタ~魔童降臨~」がトップに。興行収入50.01億元(約786億円)を記録し、中国の歴代興行収入ランキングでも2位に入る大ヒットを飛ばした。邦画年間興行収入とは対照的にトップ10入りした唯一のアニメ作品となる。次いで、第28回金鶏百花映画祭で最優秀作品賞を受賞したSF大作「流転の地球」、「アベンジャーズ/エンドゲーム」がランクイン。2018年度はハリウッド作品がランキングの半分を占めたのに対し、2019年はベスト10のうち8本が中国映画という結果に。なお2019年中国では映画全体の興行収入が約641億元(約1兆円)に上った。

「2010年代の中国映画市場は間違いなく、中国映画史においてもっとも成長した時期」と分析する徐は、「ナタ~魔童降臨~」と「流転の地球」に関して「アニメとSFという人気のジャンルで大作が生まれたことは、今後の中国映画産業に大きく影響を与えるのでは」とコメント。そしてランキングの結果から「中国の観客はアニメが好きなのではなく、むしろ実写のほうが好き」と説明し、「実写映画でどのように中国市場の道を切り開くのかが日本映画の大きな課題」と話す。またレバノンの監督ナディーン・ラバキーが手がけた「存在のない子供たち」が中国で高く評価されていることを例に挙げ「日本映画にもチャンスがある。それを実現できるまで、日本の映画会社はもっと積極的に海外向けの宣伝プロモーション戦略を立てるべき」と考えを明かした。

ランキングの結果は以下の通り。

中国における日本映画の年間興行収入ランキング(2019年)

1.「千と千尋の神隠し」4.88億元(約75.6億円)
2.「天気の子」2.88億元(約44.6億円)
3.「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」2.31億元(約35.8億円)
4.「ONE PIECE STAMPEDE」2.04億元(約31.6億円)
5.「映画ドラえもん のび太の月面探査記」1.31億元(約20.3億円)
6.「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」1.15億元(約17.8億円)
7.「祈りの幕が下りる時」0.67億元(約10.4億円)
8.「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~」0.39億元(約6.04億円)
9.「劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly」0.32億元(約4.96億円)
10.「ドラゴンボール超 ブロリー」0.31億元(約4.81億円)

中国の年間興行収入ランキング(2019年)

1.「ナタ~魔童降臨~」50.01億元(約786億円)
2.「流転の地球」46.79億元(約736億円)
3.「アベンジャーズ/エンドゲーム」42.48億元(約668億円)
4.「私と私の祖国」31.21億元(約490億円)
5.「高度一万メートルの奇跡」29.02億元(約456億円)
6.「瘋狂的外星人(原題)」22.11億元(約347億円)
7.「ペガサス/飛馳人生」17.26億元(約271億円)
8.「烈火英雄~戦士達に贈る物語~」17.02億元(約267億円)
9.「少年的ニイ(原題)」15.56億元(約244億円)
10.「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」14.34億元(約225億円)

※「瘋狂的外星人」の瘋は、簡体字が正式表記
※ 「少年的ニイ」のニイは、にんべんに尓が正式表記

(情報・写真提供:新浪)

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